オーボエはクラリネットと同じ「グラナディラ」という黒い色をした木で作られています。オーボエの特徴はダブル・リード(2枚のリード)の楽器だということです。2枚のリードを本体の先端にある細い穴に取り付け、そこから空気を吹き込み振動させ音を出します。オーボエは上管、下管、ベルの3つに分かれており、組みたてると全長が約70cm程になります。
オーボエのダブル・リードはストローのように細いため(一番細い部分の内径はわずか4mmで2枚のリード間の開きも0.5mm程度しかありません)、少ない息で音を出すことができます。しかしたくさんの息を必要とする長い音符やフレーズを演奏する時は大変有利な半面、奏者の肺の中に多くの息が残り、長いパッセージを演奏することは非常に苦しいということです。
そしてオーボエはこのダブル・リードで音色の善し悪しが決まってしまいます。そのため演奏家の人達は練習をする時間よりもリードを削っている時間のほうが長いと言うことをよく聞きます。それくらいリードは良い音を出すために重要なものです。音域は2オクターブ強で、それほど広くありません。音色は少し鼻にかかったような甘く、もの悲しく、牧歌的で、昔から多くの作曲家がオーボエの為に美しいソロを作曲しています。
オーケストラのステージ・チューニングの際、最初にA(ラ)の音を出して、音合わせの基準となるのがオーボエです。クラシック音楽においては、しばしばソロや主旋律を演奏することが多いオーボエですが、それ以外のジャンルの音楽では多くは用いられません。吹奏楽においてはオーボエのパートが書かれていても、省略して演奏に支障が無いよう作編曲されている場合が多いようです。
葦(あし)の茎を2つに割ってそれを薄く削ることによって作成されるパーツで、ほとんどのオーボエ奏者は自分でリードを制作して調整を行います。
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