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ヴァイオリンの豆知識
ヴィブラートについて
 弦楽器のヴィヴラートとは弦を押さえている指を周期的に揺らすことにより、音に細かな上下の波を与える演奏テクニックです。ヴィヴラートは音色に潤いや豊かさを与え、楽曲の演奏においてより幅広い表現を可能とします。しかしヴィヴラートの習得にはかなりの努力と時間を要し、それゆえヴィヴラートは最も個性が発揮されるところでもあります。

 ヴィヴラートには大きく分けて、手首でかけるヴィヴラート、腕でかけるかけるヴィヴラートの2種類があります。ほとんどの人は腕もしくは手首どちらかのヴィヴラートのみを用いています。効果的なヴィヴラートは、その曲のテンポや曲想になどで変化します。細かく早い、細かく遅い、大きく早い、大きく遅いなど・・・。そして、腕でかけるのか手首でかけるのかを選びます。 基本的には手首の方がかけやすく応用がききます。

 ヴィヴラートの速度は最も個性が生かされるところです。一流のヴァイオリニストでも速いヴィヴラートのレーピン、ハイフェッツ、 遅いヴィヴラートのシェリング、クレーメルなど様々です。どちらの方が好みかというのはその人の感性によるところが大きいのですが、あまりに遅いヴィヴラートは音程が不安定で気味が悪く聞こえますし、速すぎるヴィヴラートは過度の緊張感を与え耳障りに感じます。フォルテや速いテンポ、高い音、強い緊張感を伴うフレーズなどではヴィヴラートも速くなりますし、その逆も同様です。またヴィヴラートは全ての音にかけることが出来るわけではなく、16分音符の速いパッセージにかけることは不可能です。しかしかけられるか否かという問題とは別にヴィヴラートを意識的にかけないようにすることもあります。