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ソリストが急病の場合は?

 
 オーケストラの指揮者やソリストや楽員が急病や、その他やむをえない事情で出演できなくなることがあります。そんな時には代わりをさがさなければなりません。

 ある程度、早めにわかっている場合はともかく、急病等の場合はすばやく代わりの人を探し、公演への影響をできるだけ少なくしなければなりません。

 とは言っても、特に著名な指揮者やソリストの場合は、特にその演奏者を聞くためにチケットを購入している観客も多いので、主催者側ではチケットの払い戻しなどの損害賠償も覚悟しなければなりません。

 ソリストや団員が急病の場合は、キャンセルされた人の代わりを探すことになりますが、例えばソリストの場合、予定されていたソリストに見合う人で、演奏する曲の経験者を中心に代わりを探すことになりますが、場合によっては演奏曲目の変更という手段をとることもあります。

 指揮者についても同様の方法が取られますが、オペラや大規模なコンサートなど、副指揮者などのアシスタントがいるときには、代わりをつとめることもあります。

 次に楽員が急病等で降りる場合ですが、弦楽器に欠員が出た場合には、パートの人数も多いので、差し支えなければ欠員のまま演奏することもあります。

 しかし、一人一人が別のパートを演奏する管楽器の場合は、必ず代わりの奏者を補わなければなりません。

 そんな場合は、オーケストラの事務局どうしでお互いに演奏者を紹介しあうことがあります。オーケストラで急な欠員が確認されると、他のオーケストラ事務局に連絡し、その演奏会で予定されているプログラムの経験者で都合のつく演奏者を探してもらいます。

 オーケストラのメンバーは交代で休みをとる決まりになっています。そして事務局では誰が休み(降り番)なのか、そしてそのメンバーがどんな作品を今までに経験しているかのプロフィールを常に把握しています。

 またオーケストラによっては万が一に備え、降り番の団員にも出演料の何割かを出してスケジュールを押さえているところもあります。降り番の奏者は、急な呼び出しにも応じられるように待機していることになるのです。