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ホルンの歴史

 
 ホルンはフルートと共に最も古い楽器のひとつです。「ホルン」と言う言葉は「動物の角」を意味しています。もともとは原始的な形の「角笛」から発達したと言われています。

 馬に乗って狩にでかけた時、後ろにいる人に信号や狩りの合図を送り易いように、ラッパの端が後ろ向きに作られています。現在のホルンの朝顔が後ろ向きに付いているのは、その名残りだそうです。

 19世紀中頃までのホルンは、「ナチュラル・ホルン」と呼ばれ、大きく広げられたベルをもち、円形に丸められた管にマウスピースをつけただけの、大変シンプルな構造でした。


 ナチュラル・ホルンは唇の振動の調節だけでしか音程を変えることができず、いわゆる「自然倍音列」と呼ばれる音のみしか出すことができませんでした。

 そこで、べルの中に右手を入れ、それをふさいだり、開放したりする事によって、半音あるいは全音さげて、自然倍音以外の音を演奏する方法が考え出されました。


 特に高音域においては半音階も演奏する事ができるようになり、この頃からホルンにも旋律的なパッセージが多く与えられるようになりました。

 しかしこの奏法では出せる音に限りがあり、また著しく音色を損なってしまうという欠点がありました。

 そうした不満を解消するために、19世紀中頃になって、現在のようなバルブによって管の長さを瞬時に変えることができるバルブ・ホルンが開発されました。



 バルブ・ホルンの登場によって、ホルン奏者たちは容易に安定した半音階が演奏できるようになりました。1898年にはクルスペによりダブル・ホルンが開発され、現在ではこのダブル・ホルン(F〜Bb)が主流となっています。