サクソフォンはジャズ、吹奏楽、ビッグバンドの分野には欠かせない存在ですが、クラシック音楽でもその可能性をいかんなく発揮しています。ソナタやコンチェルトなど多くの作品がサクソフォンのためにつくられており、とくに、ソプラノ、アルト、テナー、バリトンの編成によるサクソフォン四重奏は、音色の均一性やアンサンブル能力の高さが弦楽四重奏にも匹敵すると言われ、クラシカルサクソフォーンの代表的な合奏形態のひとつになっています。
サクソフォーン四重奏は、普通はソプラノ、アルト、テナー、バリトンの各サクソフォーン1本ずつで編成されますが、ソプラノの代わりにアルトが2本のものや、ソプラニーノサクソフォーンが用いられるものなどもあります。
サクソフォーン四重奏の形式は、1846年にアドルフ・サックスによってサクソフォーンが発明されて間もなく、アドルフ・サックスの友人であり、室内楽曲の形式の発展に貢献した作曲家のジャン=バティスト・サンジュレーによってこの形式が発案されたと言われています。以来現在まで160年ほどのサクソフォーンの歴史の中で1000曲以上の曲が作曲されているのは驚きです。
サクソフォーン四重奏曲は主としてフランスを中心に発展しました。マルセル・ミュールやシーグルト・ラッシャーなどの著名なクラシック・サクソフォーン奏者は自らのサクソフォーン四重奏団をもつことも多く、彼らに献呈された四重奏曲も多数あります。
著名なサクソフォーン四重奏団
マルセル・ミュール・サクソフォーン四重奏団
ラッシャー・サクソフォーン四重奏団
ギャルド・レピュブリケーヌ・サクソフォーン四重奏団
アポロ・サクソフォーン四重奏団
トルヴェール・クヮルテット
雲井雅人サックス四重奏団
【主なサクソフォーン四重奏曲】
ジャン=バティスト・サンジュレー:サクソフォーン四重奏曲第1番
ガブリエル・ピエルネ:民謡風ロンドの主題による序奏と変奏
アレクサンドル・グラズノフ:サクソフォーン四重奏曲作品109
フローラン・シュミット:サクソフォーン四重奏曲
ウジェーヌ・ボザ:アンダンテとスケルツォ
アルフレッド・デザンクロ:サクソフォーン四重奏曲
ジャン・フランセ:サクソフォーンのための小四重奏曲
アルフレッド・リード:サクソフォーン四重奏のための「5つのカメオ」
クロード・パスカル:サクソフォーン四重奏曲
ジャニーヌ・リュエフ:サクソフォーン四重奏のためのコンセール
イダ・ゴトコフスキー:サクソフォーン四重奏曲
長生淳:サクソフォーン四重奏曲
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