毎年、東京杉並にある「普門館」で全日本吹奏楽コンクールが開かれています。中学、高校、大学、社会人の各部が各1日ずつ前半、後半に分かれて演奏を競うものですが、回を重ねるごとに多くの観客が来場し、約5000人も入る「普門館」のチケットが出演者の家族でも買えないほどの人気になっています。
では、なぜ吹奏楽がそんなに人気なのでしょうか。吹奏楽をテーマにした映画、「スウィングガールズ」(2004年公開。ジャズに目覚めた田舎町の女子高生が力を合わせてビッグバンドジャズに挑戦をする)や「ブラブラバンバン」(2008年公開。つぶれかけたブラスバンドを復活させ、ブラスバンドの甲子園「普門館」を目指していく)がヒットしたことからも、そこに人気が集まる理由の一つが隠されているような気がします。
その一つの理由として、管楽器は誰でもすぐに楽器を演奏することができるという点にあります。クラシック音楽で使われるヴァイオリンに代表的される弦楽器は、小さな頃から毎日のように練習をしないと上達が難しく、それに比べて管楽器はすぐに音がでます。
管楽器はあまり小さな年齢だと楽器を扱いにくいこともあり、プロになっている人でも中学でブラスバンドに入って始めたという人が大半です。そのため大人になってから楽器を楽しみたいという人でも比較的気軽に始めることが出来てそれなりに演奏を楽しむことができます。
オーケストラは、昔の作曲家が作ったいわゆる「クラシックの曲」を演奏することが多いのですが、それに比べて吹奏楽は、原則的に音楽のジャンルを問いません。ジャズだけをやるバンドもあれば、クラシックからポップスまで幅広いジャンルの音楽を楽しむことも可能です。
また、吹奏楽は学生の野球やサッカーの大会などの応援ではブラスバンドの応援がかかせませんが、日本特有の鳴り物応援の主役は観客の声援と金管楽器による演奏です。音楽は人の心を一つにする力がある。気分を高揚させ心を癒す効果があるとされています。難しいと思われがちな楽器ですが、ぜひこの機会に何かはじめてみてはいかがでしょうか。
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